恐怖体験




(注意)怖い話!
 
 
 
最初で最後の企画です
 
金沢市片町での本当に遭った
恐怖体験談実話です。
 
僕の仕事関係の知り合いの営業マン・Kさんの体験談です。kさんは幼少の頃から霊感が強く数限りなく怖い体験をしてるのだが、彼のブログから一話,借りるのに許しを得た!・・・始まり始まり

今日は夜の片町で体験した怖いお話です。

怖いといっても、ボッタくられた・・・の類ではありません(ある意味、それも激怖ですが。

その日、確か、中学の同級生5~6人で片町で飲もうという事になりまして、

居酒屋→ラウンジ→○○系の店→もっと○○系の店→更に○○系の店という

ありきたりな?流れで片町を飲み歩いてました。

時間が経つにつれ、一人、また一人とご帰宅され、最後に残ったのは

特に仲の良かった3人でした。仮に自分以外をAとBとします。

時刻は、とっくに日付も変わった午前2時頃だったと思います。

誰かが、もう一軒行く?と言い、それなら、3人いるんだし、新規開拓

というか、誰も行った事のないような怪しい店に行こうという事になりました。

その頃は、今のように片町の雑居ビルが、空きテナントでガラガラという

事も無く、かといって、いざ、怪しい店を探そうかと思うとなかなか見つからない。

今のように、飲み屋のナビステーションも無かった時代であり、黒服のお兄さんに

聞いてみるしかありませんでした。

で、出来るだけベテランそうな?黒服のおじさんを見つけて、話を聞きます。

すみません、片町で怪しいというか、胡散臭いというか、ぼったくりという意味ではなく

危ない店って知りませんか?

その黒服さんは、しばらく不思議そうな顔をしていましたが、無線のような物で

誰かに聞いてくれています。

そして・・・・

ありますよ。ありますけど、自分達も行った事ないですし、あくまで噂だけなんですけどね。

なんでも、○○ビルの横の駐車場に立ってる女の人に声掛けると、その店に

連れて行ってくれるそうです。

自分の系列店でも、管理物件でもないので、自己責任でお願いしますね。

おー、どんな風に危ないの?

それは、言えませんけどね。ただ、ぼったくりの類ではないですよ。

ちゃんと、教えたんですが、その店でたら、今度は自分の店にお願いしますよ。

そう言って、その黒服さんは、向こうにいってしまった。

なんか、子供の頃みたいにドキドキするよな。

これは、絶対に行くしかないでしょ?

全会一致で、教えて貰った○○ビルの横の駐車場に向かう。

しかし、○○ビルの横の駐車場の前なんて、今日も何回も通ったけど、そんな

女の人なんて、立ってたっけ?

まあ、行けばわかるでしょ。

で、○○ビルの前まで到着。

○○ビルの前から見ても、そんな女は立っていないように見えた。

で、3人で、もしかして騙された?と笑いながら駐車場が見渡せる場所まで来ると、

その駐車場の一番奥に、一人の女性が立っていた。

あれが、そうなのかな?にしても、あんなとこに立ってたら客引きの意味ないでしょ?

そう言いながら近寄って、声を掛けてみる。

すみません。お店に案内してくれると聞いて来たんですけど?

はい。お待ちしていました。あちらになりますので、着いてきて頂けますか?

女性は、30代位の綺麗な顔立ちだったが、着ている服も古めかしく、喋る

声も、ボソボソ、と聞き取りにくく低い声だった。

しかし、取り合えず、着いていくしかなく、3人でとぼとぼ、その女性の後を

着いて歩いていると、Bがなんか気が乗らない様子。

どうした?気分でも悪くなった?

そう尋ねた俺に、

いや、なんでもない。お前達、危ない体験したいんだもんな。頑張るよ。

えっ、何を頑張る???

そう言いながらも、Bの体は緊張というか、少し震えているように見えた。

そのまま、後を追いていくと、細かい道をくねくね曲がった所にある古びた雑居ビルに

到着した。

これまた古いエレベータに乗せられ、確か5階で降りたと思う。

古めかしい通路の左右に、これまた古くて汚い、店の看板が並んでいた。

そして、汚いとはいえ、しっかりと灯る店の看板が、少しだけ勇気付けてくれた

のは、言うまでも無い。

その通路の突き当たりにその店はあった。

通路のほかの店とは違い、ラウンジといった佇まいの店。

案内をしてくれた女性の、どうぞ!というやる気の無い言葉に促されて

店内へ・・・。

が、ここで問題発生!!

ついに、Bが限界を超えたのか、店内に入ろうとしない。

お前らも止めとけよ。ここ、やば過ぎるって!と暴れだした。

少し、店の外で作戦会議を開き、俺とAは店内へ、そしてBは廊下で待機ということで

落ち着いた。

何事も無かったかのように、俺とAは店内へと歩を進める。

店内は、そこそこ広く、いかにもラウンジといった造り。

カウンターとボックス席が5~6個という感じだった。

何より安心したのは、自分達の他にもお客が居た事。

かなり年配のスーツ姿の男がカウンターに座り背中を向けていた。

俺とAは、一番奥のボックス席に通された。

座って女の子が来るまで、しばらく待たされる。

カウンターの横にあるボックス席には、案内してくれた女性を含めて

5人ほどの女の子が待機していた。

俺はあの神の長い子、いやいや、俺は、あのスリムな子といった馬鹿話を

していると、女の子が二人やってきた。

顔を上げて確認すると、待機していた女の子の中では最年長っぽい子と、

案内してくれた子の二人。

俺とAは顔を見合わせたが、まあ話の種ということで、取り合えず納得。

それにしても、おしぼりも出ないし、挨拶もしない。

挙句の果てには、何を飲むかの確認もナシに、勝手にウイスキー

水割りを作り始めた。

ある意味、変わった店だが、酔いが回っていたせいか、不思議と怒る気にならない。

で、君達、この仕事長いの?歳はいくつ?という在り来たりな質問をしてみたが、

反応が悪過ぎる。

ひとりは、うつむいたまま、ブツブツ独り言をつぶやいているし、もう一人の

年長の女性は、こちらをじーっと見たまま、黙っている。

えーっとね。なにか話そうよ!

そう俺が言うのが早いか、その年長の女性は突然喋りだす。

話すというよりも、一方的に、喋っているだけ。

低い声で、よく聞き取れなかったが、どうやら、自分の生い立ちから

話しているようであった。

俺とAは、半ば呆れたように顔を見合す。

すると、突然、聞いてる?という怒声が。

はい、聞いてますよ。と返事しつつも、俺とAはとんでもない店に

入ったかもしれないな、と思った。

そう思いながらも話に耳を傾けていると、店にいる子達の話も

しているようだ。

あの子は、電車で。あの子は地面に叩きつけられて。

あの子は薬で失敗して、ようやく飛び降りで。

で、私は、木炭で。

って、それって全部、自殺手段?

そう思っていると、その女は、声を荒げて力説しだす。

木炭って、眠るように、とか言うけど実際は違うから。

本当に苦しいんだよ。そして、それがずっと続くの。

おいおい、勘弁してくれ、と思い顔を見ると、その女性の顔は明らかに

席に着いたときとは違う。

顔色が悪いとかいうレベルではなく、顔が紫色なのだ。

びっくりして、腰を抜かしそうになったが、同時にある事に気付く。

カウンターに座っている男は、一見、酒を飲んでママさんと話しているように

見えるが、実際は、先ほどから、全く喋っていないし、動いてもいないのだ。

それどころか、ママとその客、そして他の女の子全員が声を殺してこちらに

聞き耳を立てている、そう感じた。

俺とAは、取り合えずトイレに逃げ込み、作戦タイムという結論に達する。

トイレに入るまでも全ての視線は俺たちに注がれていた。

トイレに入り、鍵をかける。

そして、おい、どうする?まじでヤバイかも・・・・。そういった途端。

急にトイレのドアが叩かれる。

ノックとかいうのではなく、拳で叩いているようにドンドンと。

俺がBが気付いて助けてくれないかな?と言うと、Aは既にひたすら

念仏を唱えている。

おいおい。俺が言うと、今度はトイレの電気が消えた。

そして、ケラケラと笑う声と、地の底から聞こえるようなうめき声。

そして、トイレのドアの外から聞こえてくるお経のような声。

しかも、段々とでかくなる。

終いには、ドアの向こうというよりも、トイレの壁全体から聞こえるような

うめき声とお経。

そして、その時、ドアに体当たりでもしているように強い衝撃が走る。

このままじゃ、死ぬかもな。俺がそういうと、冗談じゃねえ、とA。

どうやら、怖さを通り越して吹っ切れたようであった。

出るぞ!

そう言うと、Aは一気にトイレのドアを蹴破る。

闘う気満々の俺たちだったが、ドアの外は静かに暗闇があるだけだった。

急いで、入り口まで走り、ドアのノブを回す。

開かない。何故?罠だったのか?

そんな事を考えている俺をよそに、Aはドアに体当たりしだす。

俺も我に帰り、必死でドアに体当たりした。

どうやら、鍵が開かないというよりも、何かがドアの向こうでドアを押さえている感じ。

そして、俺たちの背後からは、ズル、ズルと何かを引きずるような音が聞こえてきた。

そして、笑い声。そして、帰れないよ、もう。という低い声。

火事場の馬鹿力というのか、俺達はそんな声には動じる事無く、体当たりを繰り返す。

そして、笑い声が耳元で聞こえたと思った瞬間、ドアは見事に開いた。

転がるようにドアから飛び出す俺たち。

さっきまで、明かりで溢れていた通路も、真っ暗闇で、もう何年も前から廃墟のような

佇まいだった。

エレベータの方へ走ったが、当然、エレベータは停止している。

Aは、そのままエレベータ前を突っ切り非常階段のドアを開けた。

ここからなら降りられる。

俺達は、暗い足元に注意しながらも可能な限り迅速に階段を下る。

俺が、Bはどうしたのかな?と話しかけると、ほほ同時に下のほうから

Bの大きな声が聞こえてきた。

そのまま、階段で降りて来い。早く。通路のほうは見るなよ。絶対。

Bの声だ、と嬉しくなったが、次のBの言葉でパニックになった。

階段の上から追ってきてる。もっと早く走れ。

もう無我夢中だった。

途中、各階の非常階段のドアがゆっくり開いてきたが、そんなものは

気に掛けている余裕はなかった。

そのまま、なんとか地上まで降りるとろ、Bが心配そうな顔で待っていた。

だろ?止めとけばよかっただろ?

俺達は、喋る元気もなく、ただ頷くのみ。

どうやら、Bは、俺たちが店に入った直後、通路の電気が消え様子が

一変し、俺たちと同じように何かに追われて、非常階段を逃げ下りてきた、

ということだった。

しかし、本当にあんな危険な店が実在していたなんて!

外から見るそのビルは明らかに廃墟ビル。

こんなビルに気付かずに付いていくなんて・・・・。

とても怖い思いをさせてもらったと黒服のお兄さんに嫌味を言って、

そのまま帰路についた。

集団催眠か何か、といわれれば、否定する根拠は無いのだが、

それにしては、明らかにリアルで怖い体験であった。

この廃墟ビルは今も片町に実在する。

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